大村崑さん 俳優

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1994年01月-月刊:介護ジャーナル掲載より

気軽にボランティアできる意識持ちたい

20歳を過ぎてから結核を患い片肺になった大村崑さんは、40歳位までしか生きられないと言われながらも今年62歳を迎える。そして、数年前には偶然受けた精密検査で大腸のポリープを発見。「ガンです」と面と向かって医師から宣告されるが、初期だったこともあり完治。今日、テレビや舞台にと活躍、あの笑顔をみるとホッとする。

大村崑さんが兵庫県の丹波篠山の今田町(こんだちょう)に、「崑ちゃんの村」をつくる計画は以前にもご紹介したが、今年いよいよ完成の予定「ケアビリシステムの介護機器を展示して、多くの人達に見てもらいたい」と語るのも母親の介護経験と自分自身の老後。そして、多くの人達に知らしめたいと介護機器については熱心だ。大村崑さんは年末、年始は仕事よりもいろいろなところで開催されるチャリティーによく呼ばれるそうだ。「今まで芸人としてやってこれたのもみなさんのお蔭。少しでもお役に立てば気がおさまるんです」と、この時期はほとんどチャリティーに明け暮れるそうだ。

昔から両親から有名になって少し余裕ができれば国のために、世間のために働かないといけないと躾されていた。若い頃はその意味が分からなかったそうだが、海外の人達との付き合いが広まる中で、日本ほど福祉が遅れている国はないと感じるようだ。

「いつかハワイに行った時です。飛行場といいホテルといい車いすばかりだったので驚いたのですが、国際障害者年とかで障害者の大会があったそうなんです。そして、驚いたのは一見してお金持ちのおばさん達が車いすを押しているんです。それも自分の子供じゃないんですね。ボランティアでアメリカから一緒に連れて来ているというんです。そして、海岸に行くと初老の夫婦が、車いすから子供を抱いて浜辺に連れて行き、波打ち際で海水をかけたりして遊んであげているんですね。

それは本当のボランティアで、お金もかけて時間もかけている。しかも親がしているんじゃないんです。全部他人さんなんですね。それを見て僕は参ったと思いましたね。日本は何をしているのかと・・・」日本では24時間テレビで募金隊長として、お金を集めに行くことがあるという大村崑さんは「生活にあまり余裕のなさそうな人達がビンに貯めたお金を持ってきてくれたりするんですね。ところが、その後ろで高級自動車に乗って一見して金持ちの人は、何をしているのか覗いているだけ。福祉をやろうというのは口ばかりなんです。お金持ちの人でボランティアをしている人もいますが、日本ではほんの一部です」この違いはどこからくるのか。国民の意識の違いを外国へ行くたびに感じるそうだ。そして、本当にみんなが気軽にボランティアできる“意識の芽生え”を期待しているという。